子どもによくみられる主な病気についてご紹介します。
毎日の予防と、もしもの時の対策にお役立てください。
アトピー性皮膚炎
乳児期から小学生くらいまでの時期に多く現れる病気で、強いかゆみを伴います。2歳未満では顔や頭、2歳以上では特に首や肘の内側、膝の裏側など、曲げる部分に湿疹ができやすいのが特徴です。原因は、体質や環境と、さまざまで個人差もあります。症状が現れたら専門医の診察を受けましょう。
アトピー性皮膚炎の原因(一例)
- アレルギー体質
ダニやハウスダスト、特定の食物に対してアレルギー反応を起こします。 - 皮膚のバリア機能の異常
皮膚の働きが未熟なため角質層の細胞間に隙間ができやすく、アレルゲンが侵入し刺激の原因になります。 - 汗による刺激
汗に含まれている成分が皮膚を刺激すると考えられています。 - ストレス
「叱られる」「疲れがたまる」などのストレスを受けたときに悪化します。
予防と対策
保湿・保護を
徹底する
刺激物は
避ける
内服薬を
服用する
清潔を保つ
中耳炎
中耳にある鼓膜が、細菌に感染して炎症を起こす病気です。子どもに中耳炎が多いのは、耳管が短く、傾斜もなだらかで容易に感染してしまうためです。炎症を放っておくと、慢性化して鼓膜に穴があいたり、腫瘍ができて難聴を引き起こすケースも…。細菌は鼻からも入り込むので、こまめに鼻をかむようにしましょう。
中耳炎は放っておくと悪化する
- 急性中耳炎
風邪を引いたときに起こりやすい。発熱、耳の痛み、耳だれなどの症状が出る。 - 慢性中耳炎
急性中耳炎が治らず放っておくと、鼓膜に穴があく。 - 滲出性中耳炎
炎症によって出た液が鼓膜にたまる。 - 真珠腫性中耳炎
中耳炎を繰り返し「真珠腫」ができ、耳の骨を破壊する。難聴、顔面麻痺を起こすことも!
予防と対策
風邪を
予防する
こまめに
鼻をかむ
耳だれを
拭き取る
抗生物質を
投与
熱中症
屋外、屋内に限らず、気温が高い日や、湿度が高く汗が蒸発しにくい日は熱中症を招きやすくなります。特に体温を調節する発汗機能が低い子どもや高齢者、皮下脂肪の多い肥満の人は、身体に熱がこもりやすいため注意しましょう。めまいや吐き気、意識がもうろうとするなどの症状が現れたら、早めに対処することが大切です。
熱中症の種類
- 熱失神
皮膚の血管が拡張し、脈拍が速く弱くなる。めまい、失神、顔面蒼白を引き起こす。 - 熱疲労
脱水や塩分不足のために、倦怠感やめまい、吐き気、頭痛を招く。 - 熱けいれん
水だけを補給し塩分濃度が低下。足、腕、筋肉がけいれんし痛む。 - 熱射病
体温の上昇により中枢機能が麻痺し、意識がもうろうとする。
予防と対策
水分を十分に
補給する
こまめに温度を
調整する
風通しのよい
服装を
症状が出たら
日陰で休ませる
肥満
文部科学省の調査によると、肥満傾向にある子どもの数は、この30年間で2~3倍に増加し、小中学生の約10%が該当することがわかりました。生活習慣を変えないまま大人になると、将来、心筋梗塞や脳血管障害につながる可能性もあります。今のうちに対策を取り、肥満を解消することが大切です。
子どものメタボリックシンドロームの目安
(6歳〜15歳 男女共通)
おへその位置の腹囲が
80cm以上または、身長×1/2以上
下記のうち2つ以上
- 高脂血症
中性脂肪値120mg/dl以上、HDLコレステロール40mg/dl未満
※どちらか当てはまれば高脂血症 - 高血圧
収縮期血圧125mmHg以上、拡張期血圧70mmHg以上
※どちらか当てはまれば高脂血症 - 高血圧
空腹時血糖値100mg/dl以上